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& A
レーザーによる視力矯正手術とはどのような方法?
レーザー光線によって角膜を加工し、角膜の屈折率を変化させ、光を眼球視神経(網膜)の中心部(黄斑部)に焦点を集めるようにするのが、レーザー手術です。
レーザーによる視力矯正手術の歴史は?
1995年、米国のFDA(食品医薬品審査局)がPRKを認可してから、エキシマレーザーによる視力矯正手術が行なわれるようになりました。以来、爆発的な人気をみせ、2000年現在で、150万人を超える人がレーザーによる視力矯正手術を受けたといわれています。今後はもっと急速に手術者が増えてゆくでしょう。米国は訴訟社会といわれるように、訴訟件数も世界一多い国ですが、今では年間、100万件近い視力矯正手術が行なわれても、同手術のトラブルで訴訟になった件はまだ報告されていません。
つまり、エキシマレーザーによる視力矯正手術の安全性は、米国の手術件数からも証明されているといってよいでしょう。実際、アメリカを訪ねてみますと、レーシックの医院が眼鏡屋のようにスーパーマーケットの一室に構えていたり、実に普及しています。
レーザー手術による日本の近視矯正の歴史
日本の場合、2000年1月28日、厚生労働省はビジックス社(米国)とニデック社(日本)のエキシマレーザー2機種に対して、認可をおろしました。
米国よりも5年遅れての認可ですが、日本の病院の中で、すでに約200機に迫るエキシマレーザーが導入されているといわれています。また、2001年までの2年間で4万人に近い人がレーザーによる視力矯正の手術を受けたといわれ、今後、米国と同様に、若い人達を中心に急増していくことでしょう。
エキシマレーザーとはどのような医療機器?
2002年現在、日本には、一昨年の2000年1月に認可された2機種のほかに、臨床で使用可能なエキシマレーザ1機を加えて、4,5機種以上あります。
いずれのエキシマレーザー機種とも、コンピュータと連動し、角膜表面を一マイクロメートル(100万分の1メートル)単位で切除する精密機器です。各機種の特徴をあげてみますとエキシマレーザーのパイオニア的存在である米国製「ビジックス」の最新機種の照射方式は、ブロードビームです。一括切除するブロードビームとは、比較的に径は大きなレーザー斑点(分光したビーム)で照射します。
国産の「ニデック」は、照射方式がスキャニングで、線のように細いレーザービームの往復運動と回転運動を組み合わせて、幾つかの方向からスキャンします。
最新機種でドイツで作られ、ドイツで認可された「テクノロス」機種の照射方式は、フライングスポット。これは、小さいスポット径のビームをランダムに動かして照射する方式です。3機種は、それぞれ照射方式に特徴があります。
これら3機種とも、重さが約700キロ前後、高さは一メートル50センチ、奥行きは約2メートル。エキシマレーザーは室温や湿度に敏感なことから、湿度、50%以下、温度、15〜25度が設置条件とされています。
レーシックの手術は近視者が希望すれば誰でも可能?
残念なことですが、レーシックの手術はすべての患者さんに適応するわけではありません。
不適応な人もおります。
目に疾病がないこと、近視度数が安定していることで屈折の安定面から年齢の制限を設けています。これは法律で決められているわけではなく、日本眼科学会の指導です。
ただし、特例ですが例外もあります。例えば、職業的に、裸眼の視力採用基準が設けられている自衛隊、警察官、消防士、スチュワーデスなどで、将来、このような職業を選択したい人が近視の場合、本人の強い自覚に加え、未成年者は両親の同意書を得て手術をする例も少なくありません。
女性の場合、妊娠中は?
妊娠中、もしくは授乳中の女性は、レーシックの手術は不適応です。
理由は、妊娠中は角膜の屈折が不安定であること。また、めったにないケースですが、術後、炎症を起こした場合、薬剤の全身投与をする場合もあるからです。ですから、妊娠中の人がレーシックの手術を希望する場合は、出産してからとなります。
眼の病気を持っている人は?
角膜が薄い円錐角膜の人、あるいは角膜疾患、網膜疾患、膠原病など全身の病気を持っている人はレーシックの手術には適しません。
レーシック手術中には、痛みは?
結論から先に言いますと、多少違和感はありますが、痛みはほとんどありません。
手術のときは、点眼薬で局所麻酔を行ないます。メスで腹部を執刀するといった外科手術とは違い、例えば、入れ歯を入れるような同じ程度の簡単な手術と思ってよいでしょう。
手術の失敗で、失明することは?
これは眼の手術に限らず、ほかのどんな手術にしても、100%安全という回答はありません。
ただし、2000年までにアメリカでは、約150万人を超える人たちがレーザー近視手術を受けました。この手術を受けた患者さんで、失明をしたケースは、聞いておりません。日本もまた同じです。日本の場合は厚生労働省からレーザー手術の認可を受けて日はまだ浅く、手術例もまだ5万人以下ですが、失明等、アクシデントの報告はまだありません。 また、レーザー近視矯正手術は、コンタクトレンズや眼鏡使用に比較しますと、より安全といえるでしょう。これは私の治療体験ですが、コンタクトレンズを使用していた女性が、角膜に強い感染症を起こして失明しました。
その女性に角膜を移植して、視力を回復させましたが、似たような例で、眼鏡使用者がバレーボールを楽しんでいる最中にボールが眼に当たりました。眼鏡が壊れて角膜が破裂し、失明したケースがあります。こうした事例をみますと、レーザー近視矯正手術は、コンタクトレンズや眼鏡使用よりはむしろ安全と思います。手術中の患者の中で角膜の状態が良くなく、レーザーを当てることができなくなり、いったんやめて3カ月後に再手術する場合が稀にあります。
それは手術の失敗ではなく、より良い結果を求めるための決定です。むしろ、レーザーを当てるのを延期する決定は、医師も勇気があり良心的です。
レーザー近視矯正手術によって、副作用や合併症は?
副作用や合併症が、全くないとは言えません。アメリカや日本でもこれまで、重篤な副作用や合併症の例は出ていません。まず合併症や副作用を起こしかねない患者さんは、術前の検査時に、手術の不適応者として除外されます。手術後、角膜上皮が復元再生するまでの間、まぶしく見えることがありますが副作用ではありません。
これをヘーズ(角膜混濁)といい、角膜の中心部が濁るもので、人によって差があります。
点眼薬などを利用し、この現象はおよそ、早い人では3日で解消されます。
遅い人でも3カ月で解消されます。 また、術後に少し霧視(グレア)、画像の周りのダブリ(ハロー現象)、視力の日内変動、それに前述したまぶしさ等を覚えることがあります。しかしこれは、心配するほどの副作用や合併症ではありません。
こうした現象は、通常では3日前後で解消されます。近視矯正の手術は、眼というデリケートな器官の手術です。眼科専門医が執刀する医院で手術を行ない、術後にきちんと決められた術後検査を受け、術後は医師の指示に従えば心配はいりません。
レーザー手術後、視力はどの程度よくなる?
患者さんにとっては最重要の関心事ですが、私の手術経験から申しますと、視力の回復には個人差もありますが、具体例として、近視が1〜4コーマ、つまり、裸眼視力、0.1〜0.3ぐらいの患者さんは、術後、視力が0.7〜1.5ぐらいまで回復します。同じく、5〜7コーマで、裸眼視力、0.05の患者さんは0.5〜1.0コーマ以上で、裸眼視力、0.02の患者さんは0.3〜1.0の回復です。
近視が軽い患者さんは、術後の回復値が良く、強度近視の患者さんは、術後でも視力の回復が劣るということです。それでも、裸眼視力、0.02の患者さんが術後、1.2まで回復したケースはたくさんあります。近視手術の成果は視力回復だけではありません。近視の度数(ジオプター)が減少すれば手術は成功です。
レーザー手術は、どのくらいの時間を要するの?
手術を受けた患者さんは、一様にこんな感想をもらします。
「拍子抜けするほど早く終わってしまった」「あっけないほど手術の早さに驚きました」と。実際、片眼が約5〜10分、両眼合わせて、約20分以内で手術が終了します。
そのうち、大部分が手術前後の消毒の時間に費消され、レーザー手術に要する時間は、だいたい実質15〜90秒程度です。一杯のコーヒーを飲んでいる時間よりも、手術は早く終了するのです。
術後に完全な視力回復まで、どの程度時間がかかるの?
視力の完全回復にも個人差があります。回復が早い患者さんなら、手術直後に、もう見えるようになります。回復が遅いような患者さんでも、術後一週間以内を回復の目安にしてください。
ただし、視力の変動期間があります。これも個人差がありますが、視力が安定するまでは1〜2週間から長くて3カ月ほど。強度近視の患者さんが術後、視力が完全に安定するまで少し時間がかかります。
レーザー手術をして、何らかの後遺症を心配することはないの?
レーシック手術のブームを呼び起こしたアメリカ、あるいは日本にしても、これまで手術を受けた患者さんから、重大な後遺症の報告を聞いてないことです。
視力が完全に回復するまでは、術後の霧視、夜間像のダブリやまぶしいといった症状は多少あります。例えば、眼の手術と言えば白内障の手術があります。
20年前、眼科医が白内障の手術をしても後遺症はありませんと明言しても、それでも白内障の患者さんは手術を受けることに躊躇しました。
医師にそう明言されても、医師を100%信じることができず、やはり、不安だったのでしょう。では、20年後の現在はどうでしょうか。白内障の手術をしても後遺症はありませんでした。
レーザーによる近視矯正の手術は、白内障よりも簡単です。しかも、レーザー手術による眼のトラブルは、白内障手術よりもはるかに少ないです。レーザー手術は角膜を削るといっても、マイクロメーター(一マイクロメーターは100万分の一メーター)単位で、非常に精密に削ります。
まず、レーザー近視手術は、不適応の人を除けば、重大な後遺症はほとんどないといってよいでしょう。
術後、視力が回復しても、元の近視状態に戻るケースはあるの?
術後に、近視の度数が少し戻るケースはあります。
ただし、その場合でも、術前の近視状態までに戻ることはないと言ってよいでしょう。また、たとえ、術後に度数が戻った場合でも、レーザーの追加という方法があります。一年以内でレーザー照射の追加の場合は新たに角膜を切開する必要はないので、一回目の手術よりは簡単です。
レーザー手術を受ける場合、どのような眼科医院を選択すればいいの?
これは答えるのが難しい問いです。
目安として、ひとつは日本眼科学会が認定する眼科専門医がよろしいかと思います。
待合室などによく英文証明書などが掲げられ、権威を見せびらかすような医院もありますが、だから、最良の医師とはかぎりません。日本眼科学会が認定した眼科専門医は、手術の技術について一定上のレベルを有すると認られれた資格です。ひとつの目安となるでしょう。
手術の費用はどのくらい?
眼鏡やコンタクトレンズを含め、近視矯正手術は保険の適応はありません。つまり、全額、自己負担ということになります。
費用は、病院によって若干の差がありますが、一般的には50万円前後です。使用するレーザー機種によって金額を安くする方法もあります。
手術料金が高額な理由はエキシマレーザー機は、日本で購入する場合、約7000万円という値段になります。レーザー手術の過程で、角膜フラップというのを作りますが、このマイクロケラトームという機器の価格が約850万円ぐらいです。このほかに、手術室と周辺機器の設備類を備えますと、だいたい、1億円ぐらいの高額な手術設備が必要になります。このように、高額な設備投資、加えて医師の人件費、それに機械の維持費等を含めますと、このような手術代になるわけです。
レーザー手術は、両眼を同時に行なえるの?
レーザー手術がアメリカの眼科医で始められた当初、最初は片眼の手術をし、何日かの間をおいて、残りの片眼を手術するという方法がとられました。しかし、最近は、ほとんど両眼を同時に手術が行なわれることが主流になってきました。
技術的にも問題はなく、十分可能だからです。また、片眼の手術の場合、もう一つの片眼を手術するまで視力の差が激しく不自由であること。とくに近視の強い人は、術後の視力バランスを考えて両眼同時の手術がよいのです。
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